高校3年生の童司(
植原卓也 )は、2年前の夏に罹った大病が原因で聴覚障害者となって以来、毎日行き場のない怒りを撒き散らしていた。「なぜ俺だけがこんな目に…」。音楽が大好きで明るかった性格は影を潜め、親にも、兄の慎司(
柳澤貴彦 )にも、そして友達にも心を開かなくなってしまっていた。そんな童司がダンスと出会った。最初はダンスのことも、ダンスを踊っているやつらのことも馬鹿にしていた。でもそれは、耳が聞こえなくて踊れないことをごまかすための心の弱さだった。ダンスチームを組む童司のクラスメイトたち、親に捨てられ施設で育ったみっちゃん(
桜田通 )、生活のため学校を辞めなければいけないツナ(
平間壮一 )、親の敷いたレールを歩みたくないトビ(
寺田拓哉 )。彼らも、それぞれに悩みを抱えていた。さらにひとつ後輩のなぎ(
吉沢亮 )、彼らを温かい目で見守る太郎先輩(
橋本淳 )。ダンスと出会い、そして仲間と出会い、少しずつ童司の心は溶けていく。世の中には、どうしようもならないことがたくさんある。でも、立ち止まっちゃいけないんだ。つらくても歩き続けなきゃ――。